【 受け継ぐもの 】


 

 

 

【 受けつぐもの 】

フランス料理🇫🇷
オーボンコアンの泉です

《第2話》
日本帰国2日前。
クリニャンクールへ
最後のチャンス。

前回のあらすじはコチラ↓↓↓
https://www.facebook.com/story.php?story_fbid=915218695286893&id=100003963120263

吐く息がゴジラのような
寒いパリの朝。

ホテルのカフェで
早々に朝食をすませ

メトロに飛び乗った。

向かう先は
パリの最西端、
クリニャンクール。

そう、
2500フラン(当時はまだフランだった)
日本円で一冊50000円の、、

18世紀の料理書

『Jules Gouffe (ジュールズ・グーフェ)』を
(料理人の名前 1807−1877)

手に入れるために。

まだ、朝は早く
通勤ラッシュアワー

パリの地下鉄の
あの独特で

少し、かび臭い匂いが
なぜか好き。

メトロの大道芸人も
まだいない。

パリの人々は歩くのが速い。
日本人並みだ。

静かなようで
慌ただしい
そこは日本と変わらない

少し違うのは
パリジェンヌは背筋がピンとしていて
スタスタと足早に歩く。

綺麗で、格好いい。。

ん?なに?どういう意味かって?
あ、いや、その。。。

日本人女性もステキよね〜〜🎵(^^;
って、言う。。。

だれに言ってるのだ、、、?(笑)( ̄▽ ̄)

€$=+*^%&¥<“%#。。。。。
てっ、話がそれたので、、、っと。。(笑)

クリニャンクールへ近づくにつれて
メトロⓂ️(地下鉄)の空気感が変わる。

駅に着いて、
馴れ親しんだルートを
パリっ子よりも足早に
マルシェに入って行った。

まっすぐに、一直線に
そこを目指した。

目的の店の前に着いた。

『おそらく、
今日、一番乗りの客は俺だろう。

まぁ、どうでもいいか、そんなことは』
と、一瞬だけそんなことを考えた

ゆっくりと、店の金色のノブをまわし
ドアを開けた。

いきなり、店主と目があった。

店主は、スリムで
やはり背筋がピンと伸びた

今で言うイケメンで
デキる男風だ。
年の頃は50歳前後だろうか。

『もう一度トライするぞ』と、、思いきや

まず、その男から切り出した。

話し始めた瞬間、

『しまった!先手を取られた』と
思った。

でも彼は、、

『君は、もう一度来ると思ってたよ』

『これだろう。。ほら』

その本は、すでに
綺麗にラッピングされていた。

『仕方ない、2000フランでいいよ』

『君ならきっと大事にしてくれるから』

『日本に持って帰るんだろう?
じゃぁ、その本はもう2度とフランスには
戻ってこないな』

そう言って、
僕に手渡す前に
その本に、くちづけをした。

『❗️❗️❗️❗️❗️』

映画のワンシーン⁈。。

ほ、ほ、惚れてまうやろ(笑)

そして2人は恋に、、、❤️

ウソウソ (笑)

そして、軽くハグして (コレはホント^_^)

最後にシッカリと
握手を交わして

店を後にした。

強く握りしめた本が
少し汗ばんできたことに
気付かず、歩いた。

駅に向かいたいのか
向かっているのか?

ただ、歩いた。

店に入る直前の自分は

昨日から、いや、もっと前から
値切ろうと思い
値切ることだけを考えていた。

そんな自分がとても
とても恥ずかしくなった。

モノには価値がある。
価値相応の価格がある。

今も思う。

でも
この本には、
2000フラン以上の価値がある。

今もそう思う。。

シャルル ・ド・ゴール空港に着いた。

当然、この本は
スーツケースに入れず
機内に持ち込んだ。

シートベルトをして
離陸を待った。

『もうこの本はフランスには戻ってこないな』

彼の声が耳から離れない。

彼の想いを感じ始めた。

この本を日本に持って帰って
この本の居場所を見つけて
あげないといけない。

いや、見つけるのだ。

一生の宝物。

でも、この本を墓場まで
持っていっても仕方ない

誰かが引き継ぐ。
引き継がせる。

絶対。

そして、
もしかしたら
彼の元に戻る日が
来るかもしれない。

逆輸入だ。

それもいいな。

たかが本かもしれないけど

持っている価値は
人それぞれ。

それでいい。

僕の手元にある間は
僕が責任を持って
この価値を伝えていく。

引き継ぐもの。
受け継ぐもの。

あれ以来
海を渡っていない。

彼はまだ、あそこにいるのだろうか、、?

もう一度会いに行くかな。

会いにいって、
話したいことがある。

あの本はまだ
あなたに帰すわけにはいかない、、と

あの本は、
あの本の価値は、

僕の息子が
まだ、引き継ぐ事になるからだ。

もう少しだけ、
貸しておいてほしいと。

そう言ってみたい。^ ^

でも、彼は僕に
こう言ってくれるかな。

『君の息子なら、きっと。。。』

あぁ、愛しのバカ息子よ。。

ゲームばっかりしてないで
早よ寝んかい‼️( ̄▽ ̄)

– Fin – (完)

今回も最後までお読み頂きありがとうございます。^ ^

では、また次回❗️
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